ガーゴイルとか、最初変身を遂げる前って言うのは、
大抵の場合魔法自体が無効化されるのだが、
この狭い洞窟で上位魔法も使うのも本当に危険だし、しかし僕は僕は自体化する瞬間を実は狙っていた・・・
ファウド「時の神クロノスよ・・・
我が前に立ちふさがる危険な存在に対し、
我願うのは等しき時間・・・」
ファウド「シンクロタイムミング」
僕が放った魔法の効果は、
対象物と同じスピード・・・
つまり時間の流れも同じ様にするものなのだけど・・・
もしも敵対しているガーゴイルの時の流れの速さが自分より遥かに上回っている場合
これを唱えて置かないと僕は一瞬にしてやられてしまうので、
まず反則的なんだけどこの魔法を唱えなければならないと僕は直感的に感じた。
もちろんこの魔法が効かない存在も居るし、
僕も相手が強敵かも知れないと思った瞬間からまず頭に思いついたのがその魔法だった。
ガーゴイル「キシャー・・・」
その声を上げるなり優雅にも思える羽を広げ、
同時に、僕に突然襲いかかってくるも、
僕は辛うじて初撃を逃れられた・・・
ファウド「・・・思った通り、最初に反則だけど、
魔法を唱えて置いて良かった・・・」
現在僕が退治している二体のガーゴイルなんだけど、
見た目で言えば鳥に似ているし、
恐らくこの魔法を対象に当てて居なかったら、
僕はもしかしたらこの凶鳥の最初の攻撃にさえ、まず反応さえ出来なかったかもしれない。
ファウド「・・・やっぱりガーゴイル、気が全然抜けないって所かな。」
僕は次々に来る二体の鳥型のガーゴイルの攻撃を避けつつ、
鳥の弱点であろう次の魔法を唱えて居た・・・
ファウド「鳥は僕なんかよりも全然早く攻撃が出来るんだけど、
弱点は、障害物と空間把握に掛けて居るって所かな・・・」
ファウド「・・・大地の神、イデーアよ、対価と共に我が願いを聞き入れまえ、
・・・」
ファウド「アーススペアバイト」
アーススペアバイト・・・
この呪文は、バイト・・・
つまり天井と下からまるで噛み砕く様に二対の大地の槍状のモノを出すんだけど、
直ぐに発動出来る下級魔法で、
これを避けるのは生身の人間でさえ容易で、後ろに後退すれば良いだけなんだ・・・
でも、僕が現在対峙している敵は二体の鳥型のガーゴイル・・・
小型の鳥でも、こんな低級魔法なんてまず効果はないのだけど、
こんな小さな空間で、
それもちょっと大きめの鳥型のガーゴイルには大いに効果が有りと僕は踏んでいた。
案の定、先ほどまで優雅に大きな羽を自慢げに広げていたガーゴイルも、
今では羽をたたみ、先程の威勢もまるで無くなっていた・・・
ファウド「我が名はファウド・シリア・ジェント、
まだ幼いながらも、サモナーを目指している者・・・
この試練、まだ先に何かがあるのなら僕はそれさえ乗り越えて見せよう・・・」
僕が言った言葉に対して、
ガーゴイルは僕の力を認めたのだろうか、
元の場所に戻り、また石化し始めた・・・
アイーシャ「見事だったわね、ファウド君」
僕はアイーシャの言葉を聞くと、
同時に腰が砕けてしまった。
- 2012/05/28(月) 20:55:21|
- 小説
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
最初はガーゴイルを壊してしまう設定でしたが、
何とかガーゴイルを壊さずに倒す感じになりました(^^♪
- 2012/05/31(木) 16:30:12 |
- URL |
- いさばや #-
- [ 編集 ]